Q&A

湯灌はするべきでしょうか?

「湯灌をしたほうがいいでしょうか」

施主様と打ち合わせしているとたまに訊かれます。結論から言いますと、「必ずしないといけない事ではない」です。

湯灌とは

湯灌とは、「棺に納める前に故人様の身体を洗い清めること」です。故人とのお別れの儀式のひとつとして昔は近親者が行っていましたが、最近は葬儀社や湯灌師によって行われるケースが多くなっています。

湯灌のメリット

「故人様をきれいに整えることが出来る」

湯灌は専門業者がおこなうことがほとんどです。きちんと研修を受けたスタッフによるプロフェッショナルサービスです。洗い清め、儀式の補助、メイク、仏衣着せ、納棺までを一貫しておこなうので非常に綺麗な仕上がりとなります。メイクなどの際も、希望をスタッフに伝えることも可能ですし、故人の尊厳を守り、遺族様に寄り添ったサービスといえます。

「逆さ水などの儀式をおこなうことができる」

逆さ水とは、この世とあの世を区別して故人が成仏する際に迷わないようにおこなう「逆さ事」の一環。水にお湯を足し、足元からそのお湯を掛けてあげる行為。逆さ水などをおこなうことによって、遺族様は手厚く送ってあげることができたという満足感を得ることが出来ます。

湯灌のデメリット

逆にデメリットはというと、やはり費用面です。7万円~10万円ほどが別途かかります。また、お湯で洗う事により腐敗を早めてしまう可能性もないとは言い切れません。納棺の際にドライアイスをきっちり当てているとしても特に冬場、火葬まで時間を擁する季節の時など注意が必要です。

また、病院で亡くなった場合に施されるエンゼルケアの手厚さから、すでに仏様は充分綺麗な場合も多いのです。エンゼルケアとはアルコールなどで拭き上げ(清拭せいしき)たり、詰め物をしたり、取り外し可能な医療器具を除去したりする死後処置全般を指します。

以上のことから、「湯灌は必ずいりますか?」と訊かれた場合は冒頭のようにお答えするわけです。湯灌はまったく不要なことではなく、湯灌をなされた時はとても満足いただけることではありますので、湯灌をして損はありません。予算の兼ね合いや、故人の遺志のもとで、葬儀社に相談してみてください。