焼香の回数は何回が正しい？

葬儀に参列する際のマナーの中で特に頭を悩ますのが焼香作法ではないでしょうか。焼香を体験したことがない方でも、映画やドラマの中で見た記憶があったりするので、なんとなくはイメージできている。でも、実際に行うとなると正しくできるか不安に感じる方も多いと思います。

焼香台の前で仏前に一礼するまでは流れで出来ても、そのあとにどう振る舞えばいいのかわからない。見よう見まねでやるにしても、日常では馴染みのない作法なのであたふたしてしている、といったのをよく見かけます。

中でも一番戸惑われるのが焼香の回数でしょうか。1回だとあっさりしているし、あまりよくわかっていないのに複数回するというのも気が引けてしまいます。さらにお香を額のほうに押し当てるような行為もしなといけないので、混乱するのも無理はありません。

焼香とはどういったものなのかも踏まえて、焼香を何回するのが正しいやり方なのかを見ていきましょう。

焼香回数の数え方

焼香台には右に抹香、左に香炉があり、「抹香を摘まんで香炉に落とす」の流れを焼香を１回すると数えます。焼香回数が２回というのは「抹香を摘まんで香炉に落とす」を２回繰り返すということになります。

「押しをいただく」とは

焼香のひとつの行為として「押しをいただく」というものがあります。焼香をされるときに、抹香を親指・人差し指・中指でひとつまみし、額のほうへ寄せるさま（正しくは目線より上に掲げて頭を下げる）行為を「押しいただく（うやうやしく頭上にささげ持つ）」といいます。これは「感謝」「敬意」「祈り」の気持ちを表す行為といわれています。「抹香を摘まんで、お香を額のほうに押し当て、香炉に落とす」という流れになります。

正しい焼香回数は

では、焼香回数を何回行うのが正しいマナーかというと、実は宗派によってまちまちになっているので、正解というのはありません。基本的にはご自身の宗派に則った回数を行えば問題ありません。自分の宗派がわからない場合などは１回の焼香で構いません。

宗派による焼香回数、押しいただく回数

日蓮正宗、真言宗

３回焼香の３回とも押しいただきます。

曹洞宗

２回焼香のうち、1回目を押してただき（主香）、2回目は押しいただきません（従香）。

臨済宗

１回焼香で押しをいただきません。これは「ご冥福を一心にお祈りする」からの１回焼香、高いところから落とさないようにという意味から押しいただかないと言われています

日蓮宗

導師３回に対して参列者は１～３回を押しいただきます。

浄土真宗本願寺派、真宗大谷派

押しいただかずに、浄土真宗本願寺派は１回、真宗大谷派は２回焼香いたします。押しいただかない理由としては、焼香による煙や香りにより仏様をお迎えしている為、煙や香りを重要視していると言われています。

天台宗

回数に決まりはありませんが、押しいただきます。

浄土宗

特に決まりはありません。

と、このように宗派によって様々です。地域や寺院様によっても変わるかもしれません。しかし故人への敬意やご冥福を祈ることはすべて共通していますので、気持ちを込めてのご焼香が大切ですね。