「忌引き」とは、近親者が亡くなった際に会社や学校を休み、「忌中」や「喪中」に入ることを言います。忌引きの場合においては欠勤・欠席扱いとならない「忌引き制度」を設けている会社や学校は多いと思います。
一方で、有給休暇などと違って忌引き制度は必ずしも導入しないといけない訳ではありません。会社や学校に忌引き制度が有るのか、またどのような内容になっているか確認する必要があります。

会社の場合
会社ごとに規定はまちまちです。会社によっては雇用形態によって忌引き制度の適用範囲が異なります。
導入が必須な有給休暇と違い、会社の福利厚生の一環として給与が発生しない休暇扱いで導入しているケースが多くなっている印象です。
なかには、不正防止のために証明書類の提出を求めたり故人との関係など細かい聞き取りがされることもあるようです。
また、慶弔規定によっては会社から供花や香典のお供えがあったり、上司や同僚が参列する場合があるので、会社に対して葬儀に関する報告義務が課せられることもあります。
葬儀に関しての報告は、葬儀のプランなどの葬儀の内容についてではなく、葬儀日時や一般弔問の可否などに関することが中心になります。もし、お身内だけで執り行いたい場合などは、「弔問辞退」の旨を会社に伝えた方が良いでしょう。
先ほども出ました慶弔規定により、会社から香典やお花がお供えされる場合があります。弔問可ならば会社のどなたかが通夜もしくは葬儀の日に香典やお供え代金をお持ちになるか、後日出社の際にあらためてお供えされるかもしれません。
この場合の香典は、葬儀では「香典辞退」であっても慶弔規定に則った公的なお供えであるため、辞退せず受け取るのがいいでしょう。香典返しも不要であることが多いですね。
ご不幸は誰にでもあることではありますが、急に仕事を休む事になりますので、葬儀後の出社時には会社へ一言「お陰様で滞りなく葬儀を終えることが出来ました」と、お礼を言っておくのもいいかもしれません。

学校の場合
学校の場合もまた学校ごとに忌引きの規定がありますので、まずは学校へ電話などで一報し、忌引きについて確認しましょう。欠席届(学校規定)のような書類を提出することで忌引き扱いになるケースが多いです。学校によっては(特に大学など)、先ほどもお話した証明書類の提出が必要な場合もあります。

証明書類とは?
実際に葬儀があったことの証明となるものです。
一昔前は弔問・参列者に喪家から粗供養を渡して、そこに「会葬礼状」が同封されていました。多くの会社や学校はその「会葬礼状」を確認していました。
しかし、昨今は家族葬が主流となっており、粗供養も割愛が多くなっています。それと共に「会葬礼状」も当たり前に手元にあるものではなくなってきました。
では、その場合は他に何が証明書類となるのでしょうか。
「会葬礼状」が少なくなってきた代わりに「葬儀施工証明書」(業者や地域などによって若干、名称に違いがあります)が証明書類として有効であることが多いです。
これは葬儀社が発行するもので、故人名・通夜葬儀日時・喪主名・葬儀社名などが明記されている書類です。
他にも死亡診断書や葬儀の見積書・請求書も証明書類となり得ますが、それらは故人・喪主の住所や本籍地、故人の死因などプライバシーに触れる記載もあるため、個人情報の少ない「葬儀施工証明書」のほうが、喪主側、会社・学校側の双方に都合がいい場合が多いです。
会社や学校の規定により、どうしても「会葬礼状」が求められた場合は、施工した葬儀社に相談してみるのも1つの方法です。
弊社では会葬礼状のみで数枚でも作成対応可能ですので、同じように対応してくれる業者はあると思います。

忌引きの範囲は何親等まで?日数は?
一般的に、忌引きが適用されるかどうかが分かれるのは3親等(曾祖父母・甥姪・叔父叔母など)辺りが多いようです。
忌引きの日数についても、故人が何親等かで0日~10日ぐらいと非常にバラつきがあります。亡くなった当日(もしくは翌日)から起算して忌引き日数をカウントすることが多いです。
医療の発達により、昔に比べて余命がより正確になっていたり、手厚い看護や介護によって安らかに最期を迎えたりという方も多くなってきましたが、まだまだご不幸は急に起こり得ることです。
しかし、早い段階で「証明書類が必要なのか」「忌引きは何日までか」などを知っておくことで、葬儀前の打ち合わせや、葬儀後の手続きなどの優先順位も決めることができます。
ご不幸があった時は、まずは慌てずに、各方面へ訃報をおこないながら、会社や学校にも一報を入れ、忌引きの確認をしましょう。